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- 北海道に関連のある仕事人
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出身地 北海道
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仕事内容
事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
自己紹介
動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。 -
出身高校
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出身大学・専門学校
- 【このページに書いてある内容は取材日(2016年12月22日)時点のものです】
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
仕事内容
事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
自己紹介
動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
来園者数150万人の
旭山 動物園僕 は北海道旭川 市にある旭山 動物園の園長をしています。旭山 動物園は,日本最北の動物園です。園長にはいろいろな仕事があり,毎日同じ仕事はありません。動物の状況 やお客さんの様子,そして天候など,予定にはないこともあり,すぐに対応 しなければいけない仕事がたくさんあります。その日の状況 で夜遅 くなることもあります。一方,園長としては動物園全体を見渡 す必要があります。予算のことや,施設 の一部を作 り替 えたり,直したりといった今後のことを考える仕事があります。動物園の顔としての仕事もあります。各地へ講演 に出かけたり,取材を受けたりすることもあります。また,職員 は60人ほどいますので,働きやすい環境 をつくるということも園長の仕事の一つです。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
仕事内容
事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
自己紹介
動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
きっかけはワンポイントガイド
かつての
旭山 動物園はお客さんも少なく,閉園 の危機 に直面していました。そんなときに僕 は「ワンポイントガイド」というものを始めたのです。飼育員 が動物のことだけではなく,紙などをつかってお客さんへ語りかけるというものです。動物は何も話しませんから,飼育員 だけが知っている,とっておきの話をしました。他の動物園にはない画期的なことでしたが,初めのころはお客さんが立ち止まってくれず,大変な思いをしました。
その後,施設 が古くなってきたので建 て替 えるという機会がありました。新しい動物を入れるのではなく,今いる動物の引 っ越 しです。もう何十年もいる動物ですから,新しさはありません。どうしようかと悩 みました。そのとき,なぜ自分たちはこの動物たちを毎日見ていて飽 きないのだろうと思ったんです。いろいろ考えてみると,僕 たちは動物の日常 を見ているので,動物本来の姿 を知っている,新しい発見がいくつもある,だから飽 きないんだということに気づいたのです。動物の行動も餌 の量もいつも同じではありません。それを一つでも共感してもらえる見せ方ができないかと考え始めました。その場でウケを狙 うようなアイデアは思いつきますが,見る人はすぐに飽 きてしまいます。それが,動物本来の姿 を見せる「行動展示 」につながったのです。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
仕事内容
事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
自己紹介
動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
動物と来園者のかけ橋に
とても
悔 しい思いをしたことがあります。ある人が子どもをつれて展示 を見たときに「何だ。ただのアザラシか」と言ったのです。すると,今まで目を輝 かせてアザラシを見ていた子どもも「ただのアザラシか」とがっかりした表情 になりました。どうして大人は先入観で動物の価値 を決めてしまうのでしょう。当時の旭山 動物園には,全国的にブームになったコアラもラッコもいませんでした。でも,僕 の中ではパンダもタヌキも一緒 。身近な生き物が一番すばらしいと思っています。子どもがすばらしいと感じた気持ちを奪 ってはいけません。「よし!“ただのアザラシ”を主役にしよう!“ただのアザラシ”を“すごいアザラシ”にしよう!」そう奮起 して展示 方法を真剣 に考えました。
そこで考えたのが,世界初の円柱水槽 です。施設 のアイデアを出したとき,関係者からは「アザラシが本当に筒 の中を泳ぐのか」ということを言われました。でも僕 には,アザラシの習性 を考えれば,必ず泳いでくれるという確信 があったのです。
施設 ができて,アザラシが放たれました。すると,その中にいた生後1か月の“ハム”が近づいてきて,するりと円柱の水槽 を通 り抜 けていったのです。「やったぞ!」スタッフから拍手 と歓声 が沸 きました。今でもアザラシは気持ちよく泳いでいます。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
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事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
自己紹介
動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
「行動
展示 」を実現 するまで当時は見ている人から「ライオンはもう
見飽 きた」とか「一度見たからもういい」と言われることも多かったのです。動物ですから,生まれた時のかわいさがあって,成長があって,繁殖 をして,老いがあって死を迎 えます。人間も同じで3歳 と10歳 では違 います。来園した人にその時,その時の動物の営 みを感じてもらいたいと思います。動物に優劣 をつけるのではなく,身近な動物が一番すばらしいと思える子どもがいてくれたら,大人になって木を一本切ろうとしたときに,ちょっと待てよ,と思える人になるのではないでしょうか。現状 を変える原点がそこにあって,展示 の見せ方を考えるときは大変なこともあったけど,未来を明るいものにするために「行動展示 」の構想 を練りました。
僕 は「行動展示 」の施設 を考えるとき,まずは野生の動物の習慣 や解剖学 的な体のつくり,人間やものに対したときの園内での行動を観察します。そのうえで来園者の立場から施設 を考えると,あるとき「その動物が見ている景色」がふと浮 かぶときがあるんです。アザラシが筒 の中を泳ぎ,オランウータンが空中を綱渡 りしているような光景が。
そして,動物が気持ちよく過 ごしている姿 から,お客さんには,今までとは違 う発見をしてほしいですね。例えば,キリンを見て知っている人は多いけど,指が何本あるかはほとんどの人が知りません。実は知っているようで知らないことはたくさんあります。「行動展示 」が,動物のことを知るきっかけになってくれると嬉 しいですね。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
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姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
「命」とのかかわり
小学生のころは
昆虫 が大好きでした。父親の仕事の関係で,新潟 ,広島,京都など4回も引 っ越 しをしたので,仲の良い友達をつくるのは難 しかったです。そのかわり,周りにいた昆虫 や動物が大好きで,家に入ってくるヤモリを見たくて,網戸 を開けて待っていた思い出があります。中学生になると,セキセイインコを自分で交配させて,家で放 し飼 いにしていました。多いときは20羽ほどいましたが,インコにも個性 があるので,僕 には懐 かないインコがいました。でも,そのインコがあるとき僕 の肩 にとまりたがる。そのインコは翌朝 に死んでしまったのです。ショックでした。何らかのメッセージを送っていたのかもしれないけど,僕 はそのときに気づいてあげられなかった。そんなこともあって「かわいい」だけではなく,「命」と深く関わりたいと思ったのです。そのことが今につながっています。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
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事務 作業から将来 のことまで,動物園の全てを見渡 し,まとめる仕事をする。 -
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動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
入園して知った動物の
本質 僕 は獣医 として入園したのですが,当時はスタッフが10人ほどしかいなかったので,飼育員 を兼務 していました。そのときに思い知ったことがあります。ペットとしての動物とは全く違 った,人間と動物との関係です。あるときヒグマの子どもが動物園にやってきて,飼育 を始めました。子犬でしたら人に懐 きますから,見た目もかわいいヒグマの子どもも,いつかは人を頼 ると思ったのです。ですが,そうではなかった。人間をにらみつけて,一切寄 せつけようとしません。餌 をあげても人がいると手をつけないのです。きっと餓死 するまで手をつけないでしょう。僕 はそのときの様子をはっきりと覚えています。近くに親もいないチビが,すでに自分の生き方というものを持っているんですよ。その頑 なな生き方が動物の本質 なのだと思います。与 えられた環境 の中で淡々 と生きている。自分の周りの環境 を変えてまで生きようとしない。それは,森が無くなれば動物も生きられないということです。 -
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あさひやまどうぶつえん えんちょう旭山動物園 園長
坂東 元 -
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動物の本来の
姿 を見せることで,僕 らと同じ感動をみなさんにも味わってもらいたい。
自分らしく生きてほしい
生物多様
性 。それは,遺伝子 の改変によって多様な生物が存在 していることを意味しています。遺伝子 そのものが個性 と言ってもいいでしょう。
皆 さんにも個性 があり,人それぞれです。友達には自分とは違 った側面があります。まずは,自分の感性 や感覚を信じてください。何かを成 し遂 げようと思うならば,そのときに人が言っているから「まあいいや」と思うのではなく,自分が感じたことを素直 に受け止めて何事にも挑戦 してください。ゆずれないものは,ゆずれない。無理に良い子になる必要はないのです。そして,何よりも大切なのはお互 いの個性 を認 め合うことです。
動物はお互 いに相容 れない部分もあるけれど,同時に存在 を認 め合っています。少し難 しい言い方をすると「尊厳 」という意味です。世界が多様化する中,私 たちにもその価値観 が問われていると思います。そして,皆 さんの自分らしさは,この先の新しい発想を産み出す力になるはずです。自分らしくあること。そのことは皆 さん自身が考えて,これからの将来 を力強く生 き抜 いてください。 -